2005年度 金 融 論

 連 絡 帳

                 資料配布は、必要に応じてします。

                                 テーマ

                            日本の金融市場と金融政策

                                講義概要

金融論は、歴史的に形成された信用秩序の中で、金融市場で決まる利子率や貨幣供給量が、物価水準や為替レート、生産量や雇用量にどのように作用するのか、単純なマクロ経済モデルを用いて分析します。また、各経済主体が、金融市場で、金融商品を取引するとき、どのように金融商品の利子率や価格が決定されるかを説明します。

  ・ 明治以来の金融史のトピックスは、関連する章でコラム的に紹介します。

  ・ 導入として、日本の金融機構と金融部門の活動を概説し、金融市場の特徴と取引仕法を概説します。
   金融資産の性質や資産価値の評価の仕方を説明します。

  ・ 国民経済計算の制度部門別勘定の枠組みによって、家計と企業、金融機関と日本銀行が、資金の
   需要と供給をどのように決定するのか、ミクロ経済学の手法を用いて説明します。
  
  ・ 各経済主体が参加する金融市場において、利子率または収益率はどのように決定されるか、学説史
   に従って示します。最近では、金融先物市場が、金融商品のもつ金利変動リスク、信用リスクをヘッジ
   するために活用されています。金融先物はどのように取引されるのか、それらの価格はどのように
   理論的に決定されるのか説明します。
 
  ・ 金融市場と財・サービス市場を統合して、マクロ貨幣経済モデルを構成すれば、そのモデル内の
   変数は同時決定されます。この統合モデルによって、日本銀行が金融政策を実施すれば、政策
   変数が経済システムにどのように作用して、政策目標が達成されるかを論じることができます。

  ・ 最後に、日本銀行の金融政策がどう変遷してきたかをふまえて、不良債権が終わった段階に入って
   いる日本経済において、米中経済の影響が出てくるようになり、日本銀行は金融政策をどう運営す
   べきかを考えます。

                               講義の進行

          コラム  明治以来の日本金融史  トピックス            

  1. 金融論とは                          9/27、30
      1.1 金融機構
      1.2 金融部門の特徴ある取引と勘定        9/30 10/4、7
      1.3 金融市場の分類                   10/11
      1.4 金融資産の性質と評価              10/14

  2. 家計の金融行動
      2.1 家計のイベント、世代別の例           10/18、21
      2.2 家計の消費・貯蓄決定理論           10/25
      2.3 資産選択理論                    11/4、11/8

  3. 企業の金融行動
      3.1 企業の短期資金需要と調達            11/9
      3.2 企業の投資決定論                  11/11、11/15
      3.3 企業金融理論 M=M理論              11/25

  4. 金融機関の行動
      4.1 日本の金融機関とその業務             11/25、11/29
      4.2 金融機関への諸規制                 12/2
      4.3 銀行行動の理論                    12/6
      4.4 その他の金融機関

  5. 中央銀行と金融政策
      5.1 日本銀行の組織と機能                12/9
      5.2 金融政策の枠組み                  12/13
      5.3 金融政策の運営                    12/16

  6. 金融市場と金利の決定
      6.1 貨幣市場の形成                    12/20
      6.2 流動性選好説                      1/17
      6.3 期間構成
  7. 金融先物市場と価格決定                    
  8. マクロ貨幣経済モデルの運行                 1/20
  9. 日本の金融政策                         1/20


                               評価方法

必ずしも、すべての内容は講義できません。レポートは出しません。学期末試験は、公表問題の中から半分ぐらい出題し、さらに未公表論述問題の形式で講義した内容から出題します。


                               テキスト

            西村和志  『金融論』晃洋書房、2005年1月発行  ナカニシヤ書店にあります。

            西村和志  『金融論講義』明文舎印刷、2000年 (絶版) 図書館にあります。
            


                               参考書 

                          講義の中で指示します。

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