2008年度 金融論
更新日 2008年12月19日
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テーマ 日本の金融市場と金融政策
授業計画 講義の進行
1.国民経済循環における金融
1.1 経済循環 9/26
1.2 経済主体の金融活動と勘定化 9/30 10/3
1.3 金融市場と価格
1.4 金融資産の評価
金融数学1 10/10
2.家計の金融行動
2.1 家計の消費・貯蓄計画の立て方 10/14
2.1.2 年金制度と年金改革 10/17
2.2 消費・貯蓄理論 10/17
2.3 資産選択理論 10/21 10/24
金融数学2 10/21 10/24
3.企業の金融行動
3.1 企業の生産/投資計画 10/28
3.2 短期資金需要 10/28
3.3 長期資金需要 2つの投資決定論 11/11
3.4 M=M理論
4.金融機関の行動
4.1 金融機関の業務
4.2 規制 11/18
4.3 信用創造 11/21
5.中央銀行と金融政策
5.1 日本銀行の組織と機能 11/25
5. 2 日本銀行の業務 11/28
5. 3 金融政策の運営 12/2 12/5
6.金融市場と金利の決定
6.1 金融市場の構成 12/9
6.2 古典派貨幣市場 12/12
6.3 ケインズ貨幣市場 12・16
6.4 マネタリスト
7.金融派生商品市場
7.1 債券市場と期間構造論 12/19
7.2 派生商品市場 と仕法・戦略 2009年1/9 1/13
7.3 オプションの価格理論 1/20
8.古典派貨幣経済モデル 1/13
9.マクロ貨幣経済モデルの運行
9.1 ケインジアンモデル 1/13、1/16
9.2 変動為替制度下の開放マクロ貨幣経済モデル
10.日本の金融政策 1/20
講義概要
金融論は、歴史的に形成された信用秩序の中で、金融市場で決まる利子率や貨幣供給量が、物価水準や為替レート、生産量や雇用量にどのように作用するのか、単純なマクロ経済モデルを用いて分析します。また、各経済主体が、金融市場で、金融商品を取引するとき、どのように金融商品の利子率や価格が決定されるかを説明します。
まず、国民経済計算の制度部門別勘定において、金融機構を拡大した勘定を作成し、各部門の金融取引を明示します。金融商品も特性と評価を簡単な数式で示します。金融取引を重視した勘定の枠組みによって、家計と企業、金融機関と日本銀行が、資金の需要と供給をどのように決定するのか、ミクロ経済学の手法を用いて説明します。
次に、各経済主体が参加する金融市場において、利子率または収益率はどのように決定されるか、学説史に従って示します。最近では、金融先物市場が、金融商品のもつ金利変動リスク、信用リスクをヘッジするために活用されています。金融先物はどのように取引されるのか、それらの価格はどのように理論的に決定されるのか説明します。
金融市場と財・サービス市場を統合して、マクロ貨幣経済モデルを構成すれば、そのモデル内の変数は同時決定されます。この統合モデルによって、日本銀行が金融政策を実施すれば、政策変数が経済システムにどのように作用して、政策目標が達成されるかを論じることができます。最後に、日本銀行の金融政策がどう変遷してきたかをふまえて、不良債権の最終処理の段階に入っている日本経済において、日本銀行は金融政策をどう運営し、金融庁は金融構造改革をどう進めるべきかを考えます。
コラム的に、明治以来の金融史のトピックス、金本位制の確立と離脱、間接金融の確立にふれ、歴史的な日本の信用秩序の形成と改革を紹介します。
評価方法
昨年の公開問題および論述問題の過去問を10月初めにナカニシヤ書店で公表します。公開問題の一部から小テストを3回して、出席点を評価します。小テストの解答はテストの次の時間必ずします。2008年度の公開問題は、1月、ナカニシヤ書店で公表します。レポートはありません。
テキスト
西村和志『金融論』晃洋書房(2005年).
参考書・その他
適宜指示します。講義資料を多く配布します。講義はパワーポイントで行います。講義日に限り、内容のプリントを配布します。