2013年度 金融論

                          更新日 2014年1月22日

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                     テーマ 日本の金融市場と金融政策

授業計画                                     講義の進行
第1回 序 国民経済循環における金融                   9/17 シラバス配布
第2回 金融機関と金融資産                          9/27 10/1 資料配付 金融数学1評価法
第3回  勘定による市場構成                          9/20 バンク解答
第4回 家計の金融行動                             10/8
第5回 ライフサイクル理論                           10/11 公務員練習問題
第6回 資産選択論                                10/15 金融数学2確率分布 10/18 平均・分散分析、バンク解答
第7回 企業の金融行動                             10/22 10/25
第8回 投資理論と資金調達方法                       10/29
第9回 M=M理論                               11/1 11/12 バンク解答
第10回 金融機関の行動                           11/15 金融制度史1868〜1897、11/19 1898〜1945
第11回 金融機関への規制                          11/22 アメリカ金融制度史〜1934 わが国の金融機関と業務
第12回 銀行行動理論                             11/26 戦後の金融制度 11/29 日本の金融の特質
第13回 ミクロ金融 信用割当               12/3 トービン・鈴木銀行行動理論 12/6独占的競争理論・信用割当 バンク解答
第14回 金融市場と利子率の決定
第15回 利子理論                                12/20
第16回 貨幣市場の形成                            1/7
第17回 流動性選好説                              1/10
第18回 マネタリストの利子理論                        1/14
第19回 期間構成理論
第20回 先物取引仕法
第21回 オプション理論
第22回 日本銀行の組織と機能                        12/10  
第23回 各政策手段と効果                           12/13
第24回 金融政策の波及効果                         12/17 バンク解答
第25回 IS=LM分析                              1/17
第26回 物価の決定
第27回 マンデル・フレミングモデル                      1/21
第28回 ドーンブッシュモデル
第29回 資産バブルと停滞                           1/21 バンク解答
第30回 ゼロ金利政策とデフレ                

講義概要

金融論は、歴史的に形成された信用秩序の中で、金融市場で決まる利子率や貨幣供給量が、物価水準や為替レート、生産量や雇用量にどのように作用するのか、単純なマクロ経済モデルを用いて分析します。また、各経済主体が、金融市場で、金融商品を取引するとき、どのように金融商品の利子率や価格が決定されるかを説明します。
 まず、国民経済計算の制度部門別勘定において、金融機構を拡大した勘定を作成し、各部門の金融取引を明示します。金融商品も特性と評価を簡単な数式で示します。金融取引を重視した勘定の枠組みによって、家計と企業、金融機関と日本銀行が、資金の需要と供給をどのように決定するのか、ミクロ経済学の手法を用いて説明します。
 次に、各経済主体が参加する金融市場において、利子率または収益率はどのように決定されるか、学説史に従って示します。最近では、金融先物市場が、金融商品のもつ金利変動リスク、信用リスクをヘッジするために活用されています。金融先物はどのように取引されるのか、それらの価格はどのように理論的に決定されるのか説明します。
 金融市場と財・サービス市場を統合して、マクロ貨幣経済モデルを構成すれば、そのモデル内の変数は同時決定されます。この統合モデルによって、日本銀行が金融政策を実施すれば、政策変数が経済システムにどのように作用して、政策目標が達成されるかを論じることができます。最後に、日本銀行の金融政策がどう変遷してきたかをふまえて、不良債権の最終処理の段階に入っている日本経済において、日本銀行は金融政策をどう運営し、金融庁は金融構造改革をどう進めるべきかを考えます。
 コラム的に、明治以来の金融史のトピックス、金本位制の確立と離脱、間接金融の確立にふれ、歴史的な日本の信用秩序の形成と改革を紹介します。

評価方法
 講義で述べたことを出題します。『金融論講義ノート』を講義開始時にナカニシヤ書店で発売します。2012年度の公開問題および論述問題の過去問をノートの終わりに掲載しています。各章が終われば、講義中に解答をします。2013年度の公開問題および論述問題の過去問を2014年1月初め、ナカニシヤ書店に、原本を置きますのでコピーしてください。論述問題は公開しません。公開問題は80%、論述問題は20%の評価です。レポートはありません。 

テキスト
西村和志『金融論 2013年秋学期 講義ノート』追手門学院大学経済学部テキストシリーズ(2013年9月発行)
西村和志『金融論』晃洋書房(2005年).

参考書・その他
適宜指示します。講義資料を多く配布します。講義はパワーポイントで行います。講義で配布した資料は後日配りません。