2014年度 金融論
更新日 2015年1月21日
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テーマ 日本の金融市場と金融政策
授業計画 講義の進行
第1回 序 国民経済循環における金融 9/16 9/19 9/23
第2回 金融機関と金融資産 9/26
第3回 勘定による市場構成 9/30 10/3 10/7 10/10
第4回 家計の金融行動 10/14
第5回 ライフサイクル理論 10/17 10/24
第6回 資産選択論 10/28 10/31 11/11 11/14第2章問題解答
第7回 企業の金融行動 11/18
第8回 投資理論と資金調達方法 11/21 11/28
第9回 M=M理論 12/2 第3章問題解答
第10回 金融機関の行動
第11回 金融機関への規制 12/5 金融制度史概説 戦後につながる戦時改革
第12回 銀行行動理論 12/9 12/12
第13回 ミクロ金融 信用割当 12/16第4章問題解答
第14回 金融市場と利子率の決定
第15回 貨幣市場の形成 1/13
第16回 流動性選好説 1/16
第17回 マネタリストの利子理論 1/16
第18回 期間構成理論
第19回 先物取引仕法
第20回 オプション理論
第21回 日本銀行の組織と機能 1/6
第22回 各政策手段と目標
第23回 金融政策の波及効果 1/9
第24回 古典派モデル
第25回 IS=LM分析
第26回 物価の決定AS=AD分析
第27回 マンデル・フレミングモデル
第28回 ドーンブッシュモデル
第29回 日本銀行の金融政策史
第30回 世界経済と日銀の金融政策
講義概要
金融論は、歴史的に形成された信用秩序の中で、金融市場で決まる利子率や貨幣供給量が、物価水準や為替レート、生産量や雇用量にどのように作用するのか、単純なマクロ経済モデルを用いて分析します。また、各経済主体が、金融市場で、金融商品を取引するとき、どのように金融商品の利子率や価格が決定されるかを説明します。
まず、国民経済計算の制度部門別勘定において、金融機構を拡大した勘定を作成し、各部門の金融取引を明示します。金融商品も特性と評価を簡単な数式で示します。金融取引を重視した勘定の枠組みによって、家計と企業、金融機関と日本銀行が、資金の需要と供給をどのように決定するのか、ミクロ経済学の手法を用いて説明します。
次に、各経済主体が参加する金融市場において、利子率または収益率はどのように決定されるか、学説史に従って示します。最近では、金融先物市場が、金融商品のもつ金利変動リスク、信用リスクをヘッジするために活用されています。金融先物はどのように取引されるのか、それらの価格はどのように理論的に決定されるのか説明します。
金融市場と財・サービス市場を統合して、マクロ貨幣経済モデルを構成すれば、そのモデル内の変数は同時決定されます。この統合モデルによって、日本銀行が金融政策を実施すれば、政策変数が経済システムにどのように作用して、政策目標が達成されるかを論じることができます。最後に、日本銀行の金融政策がどう変遷してきたかをふまえて、消費税増税後、成長軌道に乗りそうな日本経済において、日本銀行は金融政策をどう運営し、出口戦略をどうすすめるのか、考えます。
コラム的に、明治以来の金融史のトピックス1980年代、間接金融優位の確立から、バブル後、企業の自己資本率が上昇し、直接金融と競合化の時代の特徴を取り上げます。
評価方法
講義で述べたことを出題します。『金融論講義ノート』を講義開始時にナカニシヤ書店で発売します。2013年度の公開問題および論述問題の過去問をノートの終わりに掲載しています。各章が終われば、講義中に解答をします。2014年度の公開問題および論述問題の過去問を2015年1月初め、ナカニシヤ書店に、原本を置きますのでコピーしてください。論述問題は公開しません。公開問題は80%、論述問題は20%の評価です。レポートはありません。
テキスト
西村和志『金融論 2014年秋学期 講義ノート』追手門学院大学経済学部テキストシリーズ(2014年9月発行)
西村和志『金融論』晃洋書房(2005年)
参考書・その他
適宜指示します。講義資料を多く配布します。講義はパワーポイントで行います。講義で配布した資料は後日配りません。