2016年度 金融論

                          更新日 2016年11月17日

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                     テーマ 日本の金融市場と金融政策

授業計画                                     講義の進行
第1回 序 国民経済循環における金融                   9/13  9/16 
第2回 金融機関と金融資産                           9/27   10/4第1章テストバンク解答
第3回  勘定による市場構成                         10/7      第1章テストバンク解答
第4回 家計の金融行動                             10/11
第5回 ライフサイクル理論                           10/18
第6回 資産選択論                                10/18 確率、確率分布、平均 10/21 10/28
第7回 企業の金融行動                            11/1
第8回 投資理論と資金調達方法                       11/8 11/11
第9回 M=M理論                               
第10回 金融機関の行動                           
第11回 金融機関への規制                          
第12回 銀行行動理論                             
第13回 ミクロ金融 信用割当                         
第14回 金融市場と利子率の決定                      
第15回 貨幣市場の形成                           
第16回 流動性選好説                            
第17回 マネタリストの利子理論                      
第18回 期間構成理論                            
第19回 先物取引仕法                            
第20回 オプション理論                            
第21回 日本銀行の組織と機能                     
第22回 各政策手段と目標                         
第23回 金融政策の波及効果                      
第24回 古典派モデル                            
第25回 IS=LM分析                             
第26回 物価の決定AS=AD分析                     
第27回 マンデル・フレミングモデル                     
第28回 ドーンブッシュモデル                        
第29回 日本銀行の金融政策史                      
第30回 世界経済と日銀の金融政策                    

講義概要

金融論は、歴史的に形成された信用秩序の中で、金融市場で決まる利子率や貨幣供給量が、物価水準や為替レート、生産量や雇用量にどのように作用するのか、単純なマクロ経済モデルを用いて分析します。また、各経済主体が、金融市場で、金融商品を取引するとき、どのように金融商品の利子率や価格が決定されるかを説明します。
 まず、国民経済計算の制度部門別勘定において、金融機構を拡大した勘定を作成し、各部門の金融取引を明示します。金融商品も特性と評価を簡単な数式で示します。金融取引を重視した勘定の枠組みによって、家計と企業、金融機関と日本銀行が、資金の需要と供給をどのように決定するのか、ミクロ経済学の手法を用いて説明します。
 次に、各経済主体が参加する金融市場において、利子率または収益率はどのように決定されるか、学説史に従って示します。最近では、金融先物市場が、金融商品のもつ金利変動リスク、信用リスクをヘッジするために活用されています。金融先物はどのように取引されるのか、それらの価格はどのように理論的に決定されるのか説明します。
 金融市場と財・サービス市場を統合して、マクロ貨幣経済モデルを構成すれば、そのモデル内の変数は同時決定されます。この統合モデルによって、日本銀行が金融政策を実施すれば、政策変数が経済システムにどのように作用して、政策目標が達成されるかを論じることができます。最後に、日本銀行の金融政策がどう変遷してきたかをふまえて、消費税増税後、成長軌道に乗りそうな日本経済において、日本銀行は金融政策をどう運営し、出口戦略をどうすすめるのか、考えます。
 コラム的に、明治以来の金融史のトピックス1980年代、間接金融優位の確立から、バブル後、企業の自己資本率が上昇し、直接金融と競合化の時代の特徴を取り上げます。

評価方法
 講義で述べたことを出題します。『金融論講義ノート』を講義開始時にナカニシヤ書店で発売します。2014年度の公開問題および論述問題の過去問をノートの終わりに掲載しています。各章が終われば、講義中に解答をします。2016年度の公開問題および論述問題の過去問を2017年1月初め、WEBCLASSに資料として、添付します。論述問題は公開しません。公開問題は80%、論述問題は20%の評価です。レポートはありません。

テキスト
西村和志『金融論 2016年秋学期 講義ノート』追手門学院大学経済学部テキストシリーズ(2016年9月発行)
西村和志『金融論』晃洋書房(2005年)

参考書・その他
適宜指示します。講義資料を多く配布します。講義はパワーポイントで行います。講義で配布した資料は後日配りません。